140字では書けない

もうすぐ4年目

私にとっての″妄想″

社会人同士の恋人が休日デートをお楽しみしているのを横目に、私は栄の街を歩いていた。

交差点の横断歩道の手前にゴミが散乱している風俗街に辿り着き、汗を拭う。
こんな暑い日に田舎からいやらしいマッサージを受けにくるなんて、つくづく私は馬鹿だと思った。

今回は予約指名した女性にマッサージをしてもらった。
過去2回はいきなり来店し、その場でボーイさんに女性を″アサイン″してもらったのだが、今回のスタッフは風俗情報サイトでランキング上位に入った凄い人らしい。
肝心のランキングの中身は覚えていない。
ランキング上位という宣伝文句と写真に釣られて指名してしまった。


最初に会ったときは、「えっ…思ったより好きなギャル系じゃないし、セクハラしたくなる地味系女性さんでもない。中庸すぎる…」と少し落胆しました。

結論から言えば、マッサージはエロいお姉さんでした。
しかし、アイスブレイクとなる世間話の殆どは私の体型と健康の話になって苦笑いするしかなかったです。
その健康面が根が深い悩みになってて、リフレッシュのためにマッサージに来たんですけど…

誰だってあまりに貧相な体型を見たら心配しますよね。
お姉さんが悪い人じゃないことは分かってました。屈託がなく、思ったことをそのまま口に出すタイプの人だったから。
でも、少しだけ会話で疲れました。

どこに行っても自分が″異形″で″非健常″であることはついて回ってくるんですね…




お姉さんに体型を見て心配されてから、マッサージ序盤は健康面について問答をしながら施術を受けることになり、全然気持ちが高まりませんでした。

お姉さんは元エステティシャンだそうで、虚弱マンである私のために足つぼの知識を伝えてくれましたが、帰宅した今は何も覚えていません。

アイスブレイクが終わり、ようやくエロエロマッサージが始まりました。
いわゆる″M男攻め″の王道プレイ。
過去2回の施術で全く経験したことないくらい、Sっ気が強い攻め方だったと思います!
しかし、途中で鏡に写った気持ち悪い笑顔をしている自分を見てしまい、興醒めしました。


【まとめ】
エロマッサージは施術・雰囲気ともに過去最高でしたが、序盤の会話だけが残念でした。
また、AVのような計算され尽くした言葉攻め・雰囲気作りをする方だったので、自然体なコミュニケーションをして施術を受けたい人には向かないかもしれないです。

スタッフのお姉さんに「自然体が~」なんて言ったら苦笑されてしまうでしょうね。
そもそも、そういう店は妄想を具現化したサービスを提供する場所です。自然体とは正反対の存在です。

普通の男性が恋人とはできないマニアックなプレイや、計算され尽くされた言葉攻めをサービスとして売っている。そこでたとえ″素人″っぽい自然体さを売りにしても本質は変わりません。


私は普通の女性と対面して健康面を心配されるような″異形″で″非健常″な存在ですが、そういう人間が妄想するのはAVのようなエンタメエロ施術ではなく、自然体コミュニケーションなのだと帰路で気づきました。


思えば、最近は会社以外では女性と全く会話していない…

変わらなければ。そう思いながら幾度も休日を無駄にしました。
でもしばらく経つと、性懲りもなくこの街に来てしまう…

今日は逃げるように汚れた横断歩道を渡りました。誰もが連れ添いで歩いているように見える栄のドン・キホーテ前で汗を拭い、秋まではマッサージはお預けにしようと誓いました…
(完)