140字では書けない

アラサー異常独身男性

Uさん

ミニシアター「シネマイーラ」がコロナ影響で休業状態になっているのがツイッターで回ってきた。

「今さら行くわけにもいかないし、クラウドファンディングで何とかできないのかなぁ」などと在学中は一度も行かなかった割に心配する。
そして、なぜか研究室のU先輩のことを思い出す。

U先輩は、卒業後アニメの制作進行に携わると言っていた。今は元気にされているだろうか。

森達也の映画について教えてくれたり、政権与党の批判を語る先輩は、大学で出会った人の中では宇宙人のような、はっきり言えば訳のわからない存在だった。
第一印象は、目の奥底に怒りを感じた面白い先輩だった。自分にはない芯と哲学を持っていて、世の中に憤りを持っているのが先輩だった。

先輩と会った学部3年当時は学部就職するか院進学するか悩みに悩んでおり、結局就職を選んだ直後だった。
重要な選択をした直後で、心理的に余裕が無かったため、先輩とは意見が違う(=面白い)と思った価値基準や職業観などを掘り下げることはしなかった。
単なる面白い話として消費し終わってしまった。

そこで内省をしていても、結局私は今の会社に入ってしまったであろうし、辞めるか辞めないかみたいな状態で3年過ごしてしまっただろう。

それでも、ある前提条件付きで会社にしがみつくのと惰性で働くのは違う。
家庭を持たない私が、感受性を磨り減らして、読書はもちろんドラマや映画すら見なくなるような生活にまでなったのはあまりに耐えすぎたと思う。
現状それで特に困ってないけれど、人間的には枯れている。

過去の「もしも」を考えるならば、圧倒的に個人主義な先輩と「会社をどう利用するか」「どういう条件ならサラリーマンを辞めるか」などと空想でも話しておけばまた違った未来があったかもしれないと思う。

昨今の状況で限られた人生の残り時間を自覚させられ、惰性では働いていられなくなった。
耐え難いほど会社を辞めたいという気持ちがあり、休息できていない。

復職後以降、とっくに働くべき期間は過ぎていて、やっと抜け出す行動をしたと思ったらコロナ禍に巻き込まれた。

辞めるつもり会社のコロナ対応なんてものは、馬鹿らしくてやっていられない。定年まで働くつもりの人が死ぬ気でやればいい。

先輩ならそう怒るだろう。それとも学生だから先輩はあんなに尖っているように見えただけだろうか。

とっくに僕は怒るべきだったんですよね。先輩。
僕も、周りの同僚も、余りに不感症になりすぎました。