140字では書けない

アラサー異常独身男性

異常独身男性、恋愛を語る(1)

タイトルの内容に入る前の準備として、
まず私がメンタルを崩す前までの、ありふれた平日を再現する。

 


8:00

勤怠システムに業務時間として記録されない「始業前の準備時間」を有効活用するため、早めに出勤する。1年前から諸事情で遠くなった駐車場から10分歩いて会社に行くのが毎回苦痛だ。

 

8:30

始業開始。上司からは定型的な業務は派遣社員障害者雇用の人に任せなさないとしつこく言われる。頼めるならやっている。

ある仕事の限定的部分の要件、納期を定め、それらの方々にお願いする。
少しでも曖昧なことがあると、嫌な顔をする。言われたことだけをやる役割、この会社では楽なもんだなと思う。決して重い仕事を任されないのだから。

 

10:30

仕事の合間、別チームでトラブルメーカーと呼ばれている私とタメ年の中途社員から部署の歓送迎会のことで相談を受ける。半年前から彼とタッグを組んで部署イベントを進めることになったが、私は2年目は幹事仕事をやってきたので現在は彼のサポートに徹している。
それにしても、彼の相談は要領を得ない。相談したいことをまとめられておらず、人の時間を奪う天才だなと思う。こいつに関しては、以前より幾つか恨みがある…
目の前の仕事を中断させられたため、昼休みに打合せをするよう提案してOKを貰った。

 

12:00

昼休み。午前中に終わらせるべき成果物が全く終わっていない。やはり早朝出勤してやるべきだったか。しかし、そうすると残業抑制目標に残業時間が到達してしまい、上司への説明が非常に面倒になる。想定より時間がかかった、では納得しないからだ。、
脱力しながらスマホをいじっていると、上司から「飯は?食堂行かないの?」と言われる。「ちゃんと食べなきゃだめだよ~」と呑気な声をかけられる。
そういえば、朝食を食べないので昼飯を食べないと一日一食生活になってしまう…

 

12:20

いつもの食堂の一角で同期のグループと合流する。昼食の話題は、恋人の親へ挨拶に行くときの注意事項。もう同年代はそういうライフステージにいるのに、自分は未だにくたびれて仕事終わりにすき家の牛丼大盛たまごセット600円を食べて帰って寝るだけの生活をして寿命を1日1日と縮めている。
入社した2年前には、四畳半のボロ社員寮に多くの同期が住んでいて「住んでいるだけで気が滅入る」と騒いでいたのに、一人または一人と恋人と同棲したり結婚などで退去していき、気づけば寮に住んでいるのは私含めて数名となった。子供が生まれた人も複数いる。

独り身は会話に参加できない、する気も起きない。最近は会話に全く加わらず、同期と同じテーブルにいながら傍で黙々と食事を済ませることが増えていた。 
自分には関係ない、そういう態度を全身から漂わせるのも角が立つので時々は会話に参加する。エネルギーの割き方が明らかに無駄な人生を過ごしている。

 

12:40

午前中に持ち掛けられた部署の歓送迎会の相談を受ける。残業抑制圧力の中で、毎度毎度幹事(のサポート)をすることに辟易してきた。辞めようと思ってる会社の歓送迎会の準備に付き合っている。自分は馬鹿な人間だ。

 

15:10

後ろの席の派遣社員の方がコーヒー休憩を取っている一方で、私はクタクタになりながら稟議書作成と派遣社員さん達への依頼事項をまとめていた。もう1年以上、自分できちんと休憩を取った試しがない。派遣の人が特別なのか、私の仕事の進め方が悪いのか。私が悪いんだろう。

 

18:00

定時過ぎ、派遣社員の人と障害者雇用の人が退勤していた。とりあえず手間な雑用を整理して渡せたのは良かったが、自分の仕事がまだ終わっていない。
勤怠システムで急いで残業申請を出す。以前、問い合わせ対応で申請を出さずに残業をしていたところ、上司に「申請出さずにダラダラ仕事しないで」と言われ、憤慨したことがあった。以来、何があっても18時前後に申請は出すことにしている。

 

19:30

上司が苛つきながら残業しているメンバーに声をかける。
「みんな、残業の抑制目標分かってんの?今月まだ〇日あるけど、こんなに残業していいの?目標守る気あんの?ねぇ。」
残っているメンバーは全員沈黙して、白けた空気が漂う。当初計画より残業時間が半減されているにも関わらず、業務の取捨選択はされないまま納期まで「やりきる」ことを求められる職場。
どうしろと言うんだ、と反論する同僚はいないが、全員の態度がこの会社の馬鹿らしさを物語っていた。

 

20:00

デスクは片付いていないが、システム上で退勤ボタンを押す。片付けの時間まで勤務時間に含めるのは気が引ける。
職場では相変わらず私の島のデスクの方々は残って仕事をしていた。そろそろ上司がウロウロし始めて「あと何が終われば帰るの?」と詰問してきそうだったので、逃げるように帰る。

 

20:20

半端に遠い駐車場までヨタヨタと歩き、車に乗り込む。すぐに運転する気になれない。
スマホSNSを見る。テーマパークに彼氏と行った女の投稿、入籍報告…またか。
申し訳ないけど、どうでもよかった。祝う気になれなかった。

 

21:00

すき家で何百回目かの夕飯を取る。牛丼大盛たまごセット600円。
明日こそ早朝出勤しないと本格的にまずい、そう思っても、仕事がたまり続ける人員体制が見直されない限り、遠くない日に破綻する。それは分かってはいた。

 

21:30

帰宅。

 

 

こんな生活をしていて、一生を添い遂げる相手を見つけられるはずがないんである。
(続きは以下の記事)

applefactorz.hateblo.jp