僕は刑務所みたいな管理をされたガリ勉高校時代を送ったが、当時僕は欲していたものは、
″今ここからの逃避″と食欲性欲の充実ぐらいだった。
前者については、今の僕を知ってる人には説明不要だろう。「僕はここにいたくない。ここにいるべき人間じゃない」ということをひたすら言い続ける僕の習性は、実は高校から端を発している。
後者については、当時からバイタリティは無かったので、遊びのために隠れてバイトをするほどではなかった。管理教育によるストレスは、目指す受験レベルに対して考えると大きすぎたと思う(東大とか医学部とかではないのだから)
ただただ自尊心を削られ、勉強を「させられている」という、そういう認識から抜け出せなかった。(※1)
どうしても、目指す将来から逆算して今(高校生活であったり会社生活)のあり方を考えることができない無能だったし、今もそうだ。真面目を装っていても、心の底では自身の将来に懐疑的だった。
実際、社会人となった今でも自身の生活の満足を三大欲求の充実だけに置いているのは昔から変わっていない。
この10年間の進歩の無さに震えている。
10年だぞ。
チャラい高校生が真っ当な一家の大黒柱となって働いてたり、母になって奮闘してたりすることは珍しくない。同世代ではありふれている。
翻って、自身は10代の幼稚性を引きずりながら、成人女性不信(蔑視)と少女礼賛思想を強めてるヤバいおじさんになっているが、対外的には年功序列系オワコン企業で働きながら一端の社会人の面をして歩いている。
10年間、僕は何もできなかった。
なぜ誰も興味の無い身の上話を書いているかというと、先日セミリタイア界隈で有名な三菱サラリーマン氏がセミリタイアを実行(退職&移住?)した記事がバズっていて、その中で身につまされる批判を目にしたからである。
直接の引用は避けるが、要約すると
「また若手中堅レベルの社会人が意気揚々とアーリーリタイア宣言して恥ずかしくはないのか?30歳前後でもまだ自分の仕事に誇りがないのはおかしい。自分はキャリア途中で○○士という職種に出会えて仕事の素晴らしさを知った。」
他人のライフイベントに口出しして最後は自分語りかよ!!って感じだが、言いたいことは分からんでもない。
しかし、自分がエネルギーを注げられる職種・仕事を見つけられる人はどれだけいるのか。
そして、天職を見つけるために、今の日本社会で職業人生の前半をトライ&エラーで費やす覚悟のある人はどれだけいるんだろう。
そもそも、情熱を持てる活動を賃労働の中から限定して探さなくともいいという意見すらある(天職は賃労働から探さない)
はっきり言って、仕事人間のイキりにしか思えない。
お前はただ運が良かっただけじゃねぇか。ボケが。
とは思いつつ、僕がこういう人生になっていて、
将来も暗い路地裏を歩く日陰者になる理由の1つには、刺激に対する反応性があまりに違うというのが大きい。
受験も、結局は仕事もそうだったけれど、人はそれぞれに器というものがあるし、その限界を見誤って背伸びをし続けると破滅してしまう。もうすぐ30歳になる頃になってしみじみ分かった。
忌憚なく言えば、退職後に人と関わりたい訳でもなく、移住生活がしたい訳でもなく、ただただ最低限の社会との繋がりを保持してセミリタイアを希望する人なんてのは社会不適合者なんだろう。僕含めて。
そういう特性を持った人間は、今現在の仕事に関係なく逃避するリスクとリターンが釣り合えば実行してしまう。中には公務員やら堅い会社の社員もいるだろう。
結局、逃避が原動力であり全て、みたいな器の人間もいる。悲しいけれど、「逃げる」が活動の全てのような人間が…
例の批判した人なんかには目に入らないんだろうな。
まぁ、入らないように生きてるから仕方ないのかな。
※1
自分からやるのが勉強だよ、という話はよ~く分かってます。色々書きたいことはありますが1つだけ書くと、当時から馬鹿正直に課題をやろうとするような人間だったから会社に入って潰れたんだと思ってます。